安藤優一郎の文章から

新島八重の維新』より

 

 『日新館童子訓』を通じて、幼少の頃から主君の恩の大切さは頭に叩き込まれているから、決して君恩を忘れることはない。会津藩士とその家族が鶴ヶ城での一ヵ月にわたる籠城戦に耐えられたのも、童子訓の暗誦を通じて醸成された主君に対する忠義心の賜物。三つ子の魂百までということわざもあるように、小さい頃から教え込まれた精神は堅いものである、と八重は晩年に語っている。八重に限らず、童子訓が会津藩士に与えた影響はたいへん大きかった。

 生涯を通じて消えることのなかった会津藩松平家への熱き思いとは、幼少期より培われたものだったのである。

 

 

安藤優一郎『新島八重の維新』(青春出版社、2012年)21ページ。

 

 

 

 

新島八重の維新 (青春新書インテリジェンス)

新島八重の維新 (青春新書インテリジェンス)