山村竜也の文章から

『本当はもっと面白い新選組』より

 

ーー山村さんは、新選組にとっては敵になる坂本龍馬もお好きなようですが、そのあたりは矛盾しないのですか?

山村 まったく矛盾しません。確かに新選組が守る徳川幕府坂本龍馬は倒そうとしたわけですが、幕府に政治をまかせておいては日本がだめになると判断してのことです。私利私欲で動いたのではありません。それに龍馬はできるだけ武力に訴えることを避け、穏便な形での政権移譲を考えていた。そのあたりが、ほかの尊王の志士たちとはひと味もふた味も違うところですね。

ーー結果的にはそのために幕府が消滅し、新選組も崩壊してしまいますが…。

山村 それは仕方ありません。一方は幕府のために尽くし、一方は幕府を倒すために尽くした。どちらが正しいということはないんですよ。人はみな自分が正しいと思ったことのために命をかける。つまり正義というのは普遍的なものではなくて、それぞれが自分のなかだけに持っているものということになるんですね。龍馬も新選組も、その意味で自らの正義のために尽くした立派な男たちでした。私にとっては、どちらも同じくらい魅力的な存在なんです。

 

 

山村竜也『本当はもっと面白い新選組』(祥伝社、2008年)263~264ページ。

 

 

 

 

本当はもっと面白い新選組 (祥伝社黄金文庫)

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