中村尚司の文章から

『人びとのアジア』より 欧米諸国では、身分登録の単位が「イエ(家族)」ではなく個人である。それぞれの事件発生地において、一人ひとりに出生証書、婚姻証書、死亡証書などが作成される。フランスの家族手帳やドイツの家族簿にも、親族的身分関係が世代を…

安藤優一郎の文章から

『新島八重の維新』より 『日新館童子訓』を通じて、幼少の頃から主君の恩の大切さは頭に叩き込まれているから、決して君恩を忘れることはない。会津藩士とその家族が鶴ヶ城での一ヵ月にわたる籠城戦に耐えられたのも、童子訓の暗誦を通じて醸成された主君に…

押井守の文章から

『凡人として生きるということ』より 人生は映画みたいなものだ。もちろん失敗も挫折もある。それを避けては通れない。それどころか、失敗や挫折そのものが人生の醍醐味とも言えるのだ。 何も波乱の起きない退屈な映画を見たいだろうか。エンディングは分か…

三島由紀夫の文章から

『鏡子の家』より 一般的法則とはなりえない苦悩、一般的な人間存在とは何のかかわりもない苦悩、これこそはブウルジョアが芸術家に於て愛するところのものだ。ブウルジョアがこの苦悩と引き代えに彼らに与える「天才」の称号は、一般的原理から人々の目を外…

竹内薫の文章から

『もしもあなたが猫だったら?』より ちなみに、人間の生活圏は三次元というわりに、地球の表面に限られてるじゃないですか。ということは、表面だから、平面人なんです、人間っていうのはね。そう考えたとき、鳥はホントに三次元の生き物なんですよ。だから…

田宮俊作の文章から

『田宮模型の仕事』より 今回のミニ四駆ブームで私が学んだことがひとつあります。いまの子どもたちは工作のために工具を使う、といった機会がまったくといっていいほどなくなってしまいました。ナイフで鉛筆を削ることも、板に釘を打ちつけることも経験しな…

河合隼雄の文章から

『日本人とアイデンティティ――心理療法家の着想』より われわれが主体的にこの世に生きてゆこうとするかぎり、われわれは自分自身をそのなかに入れこんだ体系をもたねばならない。自然科学の知は確かに有用であり、何らそれを否定する必要はないが、われわれ…

江村洋の文章から

『ハプスブルグ家』より だがハプスブルグ家では、馬鹿正直なほどに約束を守ることが伝統的だった。カールの祖父マクシミリアン帝など典型的な例だが、誓約を結んだ同盟は必ず遵守するというのが、同家の君主たちに共通した特徴といえる。それははるか後代の…

吉野源三郎の文章から

『君たちはどう生きるか』より ――君も大人になってゆくと、よい心がけをもっていながら、弱いばかりにその心がけを生かし切れないでいる、小さな善人がどんなに多いかということを、おいおいに知って来るだろう。世間には、悪い人ではないが、弱いばかりに、…

柘植久慶の文章から

『歴史を動かした「独裁者」 「強大な権力」はいかに生まれ、いかに崩壊したか』より アントニウスはオクタウィウスの姉ーーオクタウィアを妻にしていたが、その離婚によって亀裂が決定的なものとなった。すなわちアントニウスがエジプト女王クレオパトラに…

養老孟司・竹村公太郎の文章から

『本質を見抜く力ーー環境・食料・エネルギー』より 竹村 文明を持続していくには国土保全が必要です。その国土保全は環境保全に通じます。きれいごとの環境保全ではなく生きるか死ぬかの環境保全なのです。 養老 我々の生活の問題ですね、これは。環境問題…

近正宏光の文章から

『コメの嘘と真実 新規就農者が見た、とんでもない世界!』より 「日本の食料自給率が下がってしまう」 この主張は農林水産省が発表した「食料自給率39%(平成23年度)」という数値が拠り所となっています。 そもそも、食料自給率の算出法には「カロリーベ…

谷崎潤一郎の文章から

『痴人の愛』より とにかく今までのナオミには、いくら拭っても拭いきれない過去の汚点がその肉体には滲み着いていた。然るに今夜のナオミを見るとそれらの汚点は天使のような純白な肌に消されてしまって、思い出すさえ忌まわしいような気がしたものが、今は…

山村竜也の文章から

『本当はもっと面白い新選組』より ーー山村さんは、新選組にとっては敵になる坂本龍馬もお好きなようですが、そのあたりは矛盾しないのですか? 山村 まったく矛盾しません。確かに新選組が守る徳川幕府を坂本龍馬は倒そうとしたわけですが、幕府に政治をま…

田中均の文章から

『日本外交の挑戦』より 基本的に、政府広報と日本の対外発信を同一視してはならないと思う。通常、政府は政府の施策について権威を持った形で対外的に発信する。日本の場合、これは政府のスポークスマンとして官房長官が一義的に、それに加え、官房長官や外…

赤根祥道の文章から

『鈴木正三・石田梅岩・渋沢栄一に学ぶ不易の人生法則』より 人には勇気がなくては何事も成就しないことを申し聞かせておかなくてはなりません。その勇気というのは人に対してすべてに勝ち、勝つことを楽しむという心を云うのではありません。これは匹夫の勇…

得意分野って??

調べてみたら ライターとして食べていくには、「得意分野」が必要だと、おおむねどんなサイトにも書いてあった。 う~ん… 僕の得意分野??? なんかそうやって考えていくと、自分にはこれまでとことん突き詰めたりしてきたことなど、ないような気がしてきた…

絶好の散歩日和

本日の新潟市、素晴らしい天気。 なので、散歩をしてきました。絶好の散歩日和 そして、散歩をしながら色々考えたんですよ。 というのは、一昨日をもって、会社を退職しました。 退職したことには悔いはない。 というより、なんか10年ほどサラリーマンやって…

森絵都の文章から

『カラフル』より 人は自分でも気づかないところで、だれかを救ったり苦しめたりしている。 この世があまりにもカラフルだから、ぼくらはいつも迷ってる。 どれがほんとの色だかわからなくて。 どれが自分の色だかわからなくて。 森絵都『カラフル』(文芸春…